【10月20日 AFP】(更新)欧州宇宙機関(ESA)が、生命およびその痕跡を探査する目的で、ロシアと協力して進めている火星探査計画「エクソマーズ(ExoMars)」で、母船の無人周回機トレース・ガス・オービター(TGO)から分離した着陸探査機「スキャパレリ(Schiaparelli)」が火星表面に到達した。ESAの地上管制官が19日、明らかにした。ただ、着陸機からの信号は届いておらず、損傷の有無は分からないという。

 ESAの地上管制の責任者、ティエリー・ブランカート(Thierry Blancquaert)氏は「着陸船が火星表面に到達したことは間違いない」としながらも、「損傷なく着陸できたのか、岩やクレーターに衝突したのか、又は単に通信不能なのかはわからない」とAFPに述べた。

 TGOの火星周回軌道への投入については、スキャパレリ到達の発表前に成功と伝えられていた。

 スキャパレリは、次段階で投入が予定されている火星着陸探査車の試行実験の役割を担う、幼児用プール大の着陸探査機だ。事前の発表では、火星の希薄な大気に超音速で突入した後、グリニッジ標準時(GMT)19日午後2時48分(日本時間同日午後11時48分)に着陸する計画とされていた。

 だが、6分間の降下の終わり頃にスキャパレリからの信号が消失し、13年前にESAが最初に取り組んだ火星着陸の悪夢がよぎった。この時は、英国製の無人探査機「ビーグル2(Beagle 2)」が消息を絶っている。

 グリニッジ標準時(GMT)20日午前8時00分(日本時間同日午後5時)に最新情報が提供される見込み。(c)AFP/Sascha Halfmann with Mariette le Roux in Paris