警察車両がデモ隊に突っ込む フィリピン
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【10月19日 AFP】(写真追加)フィリピン・マニラ(Manila)の米大使館外で19日、棒などを持ったデモの参加者たちに警察車両が突っ込み、数人をひく出来事があった。
米大使館前では、同国のロドリゴ・ドゥテルテ(Rodrigo Duterte)大統領が最近、米国との同盟関係を緩めたいと発言したことを支持する数百人が集まり、警察当局は警棒や催涙弾でデモの参加者たちを解散させようとした。
アルセニオ・リパリプ(Arsenio Riparip)警部は、AFPに対し、23人の身柄を拘束したと語った。
リパリプ警部によるとデモの参加者たちは、大使館の門を警備する警官の隊列を突破。同警部は「解散させる必要があった。始めたのは彼らだ。彼らは大使館に侵入しようとしていた」、「催涙弾を使う必要があった。警官隊は圧倒されていた」と述べた。
テレビネットワークABS-CBNの映像では、急に後退した警察の車両がデモの参加者たちに突っ込み、その後前進して少なくとも2人をひき、他のデモの参加者をはねているのが確認された。
マニラ警察当局のオスカー・アルバヤルデ(Oscar Albayalde)署長は、警察車両がデモの参加者たちに衝突したことを認めた上で、運転手には過失がないと主張した。
アルバヤルデ署長は声明で「デモの参加者たちはひかれたのではない」とし、「参加者たちは警察車両を横転させようとしていた。その中で、運転手が警察車両を動かし、乱暴なデモの参加者にうっかりぶつかってしまい、軽傷を負わせてしまった」と述べた。
一方、デモ隊の指導者、アミラ・リダサン(Amirah Lidasan)氏は警官隊が先に暴力を振るったと主張しており、「デモ隊を攻撃したのは警察側だった。まず警察車両を人々に激突させた。次に催涙弾を発射して、警棒で私たちを殴った」と述べている。(c)AFP