【10月19日 AFP】米国防総省のジェフ・デービス(Jeff Davis)報道官は18日、イラク軍などがイスラム過激派組織「イスラム国(IS)」からの奪還作戦を展開している同国北部モスル(Mosul)で、ISが一般市民の避難を阻止し、「人間の盾」として利用していると指摘した。

 17日に始まったモスル奪還作戦では、戦闘が激しさを増すにつれ市内から多数の市民が避難すると予想され、当局や援助機関が受け入れ準備を進めている。

 国連(UN)のステファン・デュジャリック(Stephane Dujarric)報道官は、最初の数週間で約20万人が避難を余儀なくされると推算。その数は最終的に最大100万人に上る可能性があるとしている。

 デービス報道官は記者会見で、「現在、一般市民の一斉避難は確認できていない。その理由は、市民らが市内にとどまるよう強要されているからだ」と指摘している。

 戦闘は今のところ小規模にとどまっており、主にクルド人治安部隊ペシュメルガ(Peshmerga)がISから奪還を目指しているモスル東郊のクルド人が住む村々に集中している。

 デービス報道官によると、ISは車を使った自爆攻撃を仕掛けている他、空爆や無人偵察機を妨害するため、油やタイヤで満たした巨大な穴に点火し、濃い煙を立ち上らせて自分たちの動きや拠点を隠そうとしているという。(c)AFP