【10月15日 AFP】国際サッカー連盟(FIFA)のジャンニ・インファンティーノ(Gianni Infantino)会長は14日、スイス・チューリヒ(Zurich)で行われた理事会で、発言力を持つ各国からW杯出場国を拡大するという自身の案への支持を取りつけた。最終決定は来年1月に行われる。

 14日の会合では、巨大ビジネスに成長しているW杯の参加国を現行の32か国から最大48か国に拡大することが主要なテーマとなった。会議に出席した主要36か国は、出場国を40か国にする案に前向きな姿勢を示しており、各グループ5チームの8組、または各グループ4チームの10組とするかで議論が分かれた。

 インファンティーノ会長が推奨する48か国のフォーマットは、各予選最高成績の16チームが自動的に本大会に出場し、残りの32チームが本大会前にプレーオフ1試合を行うというもの。そこで勝ち上がった16チームが本大会のグループリーグに進出する。

 FIFAは参加国の拡大は来年1月9日と10日の会合で正式決定すると発表しているが、インファンティーノ会長は自らの案に好感触を得ているようだ。

 会合に出席したベルギー出身のミシェル・ドーグ(Michel D'Hooghe)氏は、「流れはフォーマットの拡大に向かっている」と話し、拡大する枠の各大陸への配分はこれから議論していくと述べている。また、匿名を希望したある出席者は、欧州サッカー連盟(UEFA)のアレクサンデル・チェフェリン(Aleksander Ceferin)新会長は、より大規模な拡大案を支持したと明かしている。

 参加国の拡大には大会の質を落とすという批判や、日程的に応じられないという声も上がっており、48か国のプランに疑念を抱く出席者もいたとされているが、インファンティーノ会長は自身の案を「強烈に後押しした」という。

 インファンティーノ会長は今年2月、前代未聞の汚職スキャンダルを払拭(ふっしょく)し、サッカーを地球規模で成長させるとの公約を掲げ、ジョセフ・ゼップ・ブラッター(Joseph Sepp Blatter)前会長の後任に選出された。

 スイスとイタリアの国籍を持つ46歳のインファンティーノ会長は、出場国の拡大はサッカーをさらに成長させるためだと強調している。「出場国の拡大は金銭的な理由でも政治的な理由でもない。スポーツ的な決定だ。サッカーにとって何が最善なのかという視点で決定は行わなければならない」

 同日の会合では、巨額の運営費を分担するために大会を複数国で共催する案も支持を集めた。2026年大会の招致レースは、2017年の夏に始まる予定とされているが、各大陸で開催国をローテーションするという方針から、2018年大会が行われる欧州、2022年大会が行われるアジアは除外される見通しとなっている。(c)AFP/Eric BERNAUDEAU