【10月14日 AFP】宇宙には2兆個という、気が遠くなるような数の銀河が存在するとの研究結果が13日、発表された。これまで考えられていたよりも最大で20倍多く存在することになるという。

 米天文学専門誌アストロノミカル・ジャーナル(Astronomical Journal)に掲載された研究論文によると、この驚くべき発見はハッブル宇宙望遠鏡(Hubble Space Telescope)で20年にわたり収集された画像データで構築した3次元モデルに基づくものだという。

 米天文学者エドウィン・ハッブル(Edwin Hubble)が1924年、太陽系がある天の川銀河(Milky Way)に隣接するアンドロメダ(Andromeda)銀河が、天の川銀河の一部ではないことを証明して以来、宇宙にはどれくらいの数の銀河が存在するのかという問題に、科学者らは頭を悩ませてきた。

 だが、現代天文学の時代においても、銀河の数を正確に集計するのは困難であることが判明していた。

 そもそも、遠方の天体から放たれた光が地球に届くまでの時間を考えると、その到達範囲は有限であり、宇宙全体の一部でしかないからだ。残りは事実上、「手の届かない」ところにある。

 また、今回の最新の研究成果によると、この「観測可能な宇宙」の範囲内でさえも、現在の技術では、そこに存在するもののわずか10%しか見ることができないという。

 研究を率いた英ノッティンガム大学(University of Nottingham)のクリストファー・コンセーリチェ(Christopher Conselice)氏は「宇宙に存在する銀河の90%以上がまだ未調査だとは、気が遠くなるような話だ」とコメントしている。「次世代の望遠鏡を用いてこれらの銀河を観測すれば、興味深い性質を発見できるかもしれない」と、コンセーリチェ氏は声明で述べている。

 宇宙の歴史の異なる時期の銀河の数を調べるため、コンセーリチェ氏と研究チームは、ハッブル望遠鏡で収集された深宇宙の画像データを用いて、それらを丹念に3次元に変換した。

 今回の研究では、宇宙の起源と考えられている大爆発「ビッグバン(Big Bang)」が起きて間もない130億年以上前まで時間をさかのぼる分析を行った。

 研究チームは最新の数理モデルを使用して、望遠鏡の観測範囲を超える「不可視の」銀河の数を推計した結果、その大半があまりに光が弱くて遠く離れているために見えていないという驚くべき認識に到達した。

 宇宙が誕生してからまだ数十億年しかたっていない時期には、一定の空間体積内に存在する銀河の数が現在の10倍だったことを、今回の結果は示唆している。

 これは「銀河同士の大規模な合体現象を通じて、その数を減少させるための重大な進化が起きたに違いない」ことを示唆している。(c)AFP