【10月13日 AFP】男子テニスのラファエル・ナダル(Rafael Nadal、スペイン)は12日、低迷する調子と結果を食い止め、来季に備えるために今シーズンを途中で終了し、練習に集中する可能性を示唆した。

 四大大会(グランドスラム)通算14勝を誇る30歳のナダルは、同日行われた上海マスターズ(2016 Shanghai Rolex Masters)の2回戦でセルビアのヴィクトル・トロイキ(Viktor Troicki)に3-6、6-7(3-7)で敗れた試合後、心配げな表情を見せた。

 4月のバルセロナ・オープン(Barcelona Open Banc Sabadell 2016)で今季2勝目を獲得して以降、決勝進出から遠ざかっているナダルにとって、今回の敗戦はさらに追い打ちをかける結果となった。

 世界ランキング5位のナダルは、「現時点で、私が来月どうしているかということは明言できない。予定もまだ定かではないし、来年を100パーセントの状態で迎えるために必要なこともよくわからない」と語った。

 残る今シーズンの大会ではスイス・インドア(Swiss Indoors Basel 2016)とパリ・マスターズ(BNP Paribas Masters 2016)、ATPワールドツアー・ファイナル(ATP World Tour Finals 2016)に出場予定のナダルだが、これらの大会に出場することは自身が必要とするものではないかもしれないという。

「時に、試合に出続けるというのは解決策ではないんだ。練習をしたり、トレーニングを積んだりすることが解決策の時もある」というナダルは、「あまりわからないけれど、2週間後のバーゼル(Basel)には出場すると思う」と語った。

■2014年の全仏以降はグランドスラム優勝から遠ざかる

 弱冠17歳で初のグランドスラム制覇を成し遂げた赤土の王者は、2014年の全仏オープン(French Open2014)を制してからは、四大大会でのタイトル獲得がなく衰退の兆候が顕著だ。

 ナダル自身は、過去に絶対的な力を誇ったフォアハンドと、多くの選手にとって壁として立ちはだかった動きのスピードの改善が急務だという。

「フォアハンドを打つときは毎回、相手にとって苦痛を与える必要があるんだ。でも今日、そうしたことはできていない」と話すナダルは、「それはきっと、手首をけがしたことと、それに対して自分がいまだに恐れているからだと思う。もしかしたら、そうした点に何かしらの制限があるかもしれない」と明らかにした。

 さらにナダルは、脚の中に「電気」を回復することと、より多くフォアハンドで打つために「速く動く」必要があると口にし、「そうしたことを可能にするには、自分のフォアハンドにもっと自信を持たなくてはいけない。すべて一連のものなんだ。だから一切を一緒にやる必要がある」と語った。(c)AFP/Talek HARRIS