【10月12日 AFP】オーストラリア気象局(Bureau of Meteorology)のコンピューターシステムに、マルウエア(悪意のあるソフトウエア)がインストールされ、データファイルが盗み取られていたことが分かった。政府機関が12日に発表した報告書で明らかになった。ただ不正ソフトのインストールに関わったとみられる国名などは発表されていない。

 豪国防省ともつながっている気象局のシステムへのセキュリティ侵害は2015年に発見され、当初、現地メディアは中国の関与を報じていた。豪政府機関のオーストラリアン・サイバー・セキュリティー・センター(Australian Cyber Security Centre)は、12日に発表した報告書で「主なセキュリティ侵害の原因は海外の情報機関にある」としたが、国名はあげていない。

 報告書によると、サイバー・セキュリティー・センター傘下のオーストラリア通信電子局(ASD)は気象局へのサイバー犯罪に関連して、国家主導のサイバー攻撃で使用されることが多いというリモート・アクセス・ツール(RAT)と呼ばれるものを含むマルウエアを発見した。

「気象局のネットワークから、未知数のデータファイルが検索、複製されていたことを示す証拠を見つけた。こうしたデータファイルは盗まれたとみられる」とASDは述べている。

 報告書はまた、豪政府機関やインフラ、産業部門へのサイバー攻撃が近年増加しているが、現時点でテロリストグループによる攻撃のリスクは低いとしている。(c)AFP