映画創世記の先駆者G・メリエスの幻の映画、チェコで発見
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【10月12日 AFP】映画創世記の先駆者として知られるフランス人のジョルジュ・メリエス(Georges Melies)が制作し、現存していないと思われていた幻の映画が発見された。チェコ国立映画アーカイブ(Czech National Film Archive)の研究者らが11日、明らかにした。
発見されたのは、1904年制作の2分間のサイレント映画『奇術比べ(原題:Match de prestidigitation)』。匿名の人物から同映画アーカイブに寄贈された1巻のフィルムで、別の映画の題名が貼られていた。
舞台の奇術師から映像作家になったメリエスは、1896~1912年の間に500本余りの映画を制作。技術やストーリー描写の面でさまざまな開発を手掛けたと評価されている。
AFPの取材に応じた映画アーカイブの広報担当者、ヤナ・ウリポバー(Jana Ulipova)氏によると、寄贈されたフィルムにはメリエスの別の作品、『感知されざる変容(原題:Les Transmutations imperceptibles)』の題名が付けられていたが、すぐに違う作品であることが分かり、フランス国立図書館(National Library of France)による詳細な調査によって、この作品は『奇術比べ』であるとの確証を得たという。
今回発見された映画では、1人の奇術師が2人に分身し、順番に手品を披露し合った後、合体して1人に戻る様子が描かれている。
チェコ国立映画アーカイブはメリエスの映画22本を所蔵しており、そのうち1902年の映画『月世界旅行(原題:Voyage dans la Lune、英題:A Trip to the Moon)』は世界初のSF映画とされている。
メリエスは1938年に亡くなり、その作品のほとんどは失われている。(c)AFP