ライアン下院議長、トランプ氏との共闘拒否 「今後は擁護しない」
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【10月11日 AFP】米共和党で最高位の公職に就くポール・ライアン(Paul Ryan)下院議長は10日、議員らに対し、大統領選の同党候補、ドナルド・トランプ(Donald Trump)氏をもはや「擁護」することも、共に選挙戦を戦うこともないという考えを示し、その代わりに下院議席の過半数維持に専心すると述べた。
トランプ氏との対立を繰り返してきたライアン氏。同日、自党下院議員らに対する電話会議の内容を聞いた情報筋は、ライアン氏が「(投票日までの)今後30日間、トランプ氏を擁護しないし、一緒に選挙運動を行うつもりもないと話した」と明かした。
一方で、トランプ氏支持の撤回表明には至らなかったという。ライアン氏の広報担当者は同会議の後、記者らに対し、トランプ氏の支持という点においては「現時点ではライアン氏の立場に変更はない」と言明。電子メールで送付した声明で、ライアン氏が「来月はわが党の下院での過半数維持に全力を傾ける」方針であることを明らかにした。
しかし上述の情報筋は、全米規模の世論調査でも激戦が見込まれる州でもリードしているライバルの民主党候補、ヒラリー・クリントン(Hillary Clinton)前国務長官の勝利を、ライアン氏が事実上認めたことを示唆。「ライアン氏は今後、議会の過半数が民主党に握られ、ヒラリー・クリントン氏が好き勝手にできるような状況をつくらないよう全力を注ぐ意向だ」と語っている。
さらにライアン氏は議員らに対し、物議を醸し続けるトランプ氏との関係を絶つことを容認するかのような発言もした。同筋によると、ライアン氏は「全員が地元選挙区で自分にとって最善となることをすべきだ」と呼び掛けたという。
トランプ氏をめぐっては7日、女性を蔑視したわいせつ発言が収録された2005年の映像が公開された。その中で同氏は、自分はとがめられることなく女性の体に触れられる、有名人なら「何だってできる」と豪語。これにより同氏の陣営は、大きな打撃を受けている。(c)AFP