【10月10日 AFP】非常に強いハリケーン「マシュー(Matthew)」直撃から約1週間が経過したハイチで、コレラの感染が広がり始めている。これまでに300人以上の死者が出ているが、今後は二次災害の拡大が懸念される。

 ハリケーンが直撃した南部ポールサリュー(Port Salut)では9日、町の唯一の病院でコレラ患者の死亡が初めて確認された。

 この2日間で、病院に搬送され治療を受けている患者は他に9人おり、いずれも汚染した水からの感染が疑われている。同国南部では、別の地域でもコレラによる死亡が数件報告されている。

 ハイチでは、コレラの流行に特に神経をとがらせている。2010年に発生した大地震の後、国連(UN)の平和維持活動(PKO)部隊によって持ち込まれたコレラ菌によって、これまでに約1万人が死亡しているためだ。

 今回のハリケーンで発生した直接の死者数について、民間防衛関係者らは336人と発表しているが、他方で400人以上とする一部当局者の情報もある。

 ポールサリューの病院の院長は、AFPの取材に対し、コレラはこの町とその周辺地域にとっての「致命的な危機」へと急速に発展しつつあると語った。

 同院長によると、ハリケーン以降、主に負傷などで受診に訪れる患者は1日あたり約100人に上っており、コレラに対応するためのスタッフや薬剤、設備が不足しているという。(c)AFP/Marc BURLEIGH