【10月10日 AFP】ミャンマー西部ラカイン（Rakhine）州で9日、武装集団の待ち伏せ攻撃を受けて警察官9人が死亡した。当局は、実行犯は迫害を受けているイスラム教徒の少数民族ロヒンギャ（Rohingya）だったとしている。

　バングラデシュと接するラカイン州は、2012年に多数派の仏教徒のラカインと少数派のイスラム教徒のロヒンギャが衝突して多数の死者と避難民を出して以来、分断状態にある。

　ロヒンギャはおおむねキャンプ内に留め置かれ、人権団体から南アフリカの旧アパルトヘイト（人種隔離）政策になぞらえられるほどの制約を受けている。ただ、こうした窮状にもかかわらず、既知の軍事組織は持たず、暴力に訴えて政治的主張を行うことを避けてきた。

　しかし当局は9日夜、首都ネピドー（Naypyidaw）で開いた記者会見で「捜査官らによると、襲撃者たちはロヒンギャだと名乗っていた」と説明した。また、警察官9人のほかに実行犯8人も死亡し、実行犯2人の身柄を拘束したことも明らかにした。

　ラカイン州政府の幹部はAFPの取材に対し、今回の待ち伏せ攻撃には「ロヒンギャ連帯機構（RSO）」が関与しているとの見方を示した。RSOは1980～1990年代に活動していたロヒンギャの小規模な武装組織で、この20年近くは表立った活動が伝えられていなかった。(c)AFP/Hla-Hla HTAY