シリア難民の住宅で強力な爆発物発見、警察が行方追う ドイツ
このニュースをシェア
【10月9日 AFP】ドイツ警察は8日、国内情報機関の情報に基づいて東部ザクセン(Saxony)州ケムニッツ(Chemnitz)の集合住宅を捜索したところ数百グラムの強力な爆発物を発見した。
警察はこの集合住宅に住んでいたシリア人の男が爆弾を使った攻撃を計画していたとして、大規模な捜索を実施してその行方を追っている。警察は住民に自宅にとどまるよう呼び掛けている。
警察によると男は1994年1月にシリアで生まれたジャベル・アルバクル(Jaber Albakr)容疑者(22)。国内情報機関の報道官は、同容疑者は昨年難民としてドイツに入国し、当局の監視対象になっていたと述べた。
捜査官らが7日に警告を発し、8日に捜索が行われた。ソーシャルメディアに投稿された写真には黒いバラクラバ(目だし帽)とヘルメットを着用した武装警察官がアパートの建物を捜索する様子が写っていた。近隣住民約100人が避難し、警察官らがアパートに突入する際に大きな爆発音が聞こえた。
地元紙フライエ・プレッセ(Freie Presse)によると見つかったのはイスラム過激派組織「イスラム国(IS)」が仏パリ(Paris)とベルギーのブリュッセル(Brussels)の襲撃事件で使ったのと同じTATPという爆発物。警察は、この爆発物はTNT火薬より危険で、少量でも極めて大きな被害をもたらすとしている。
アルバクル容疑者と関係のある3人がケムニッツで逮捕された。うち2人は駅の近くで逮捕され、3人目は市中心部で捕まった。警察は、逮捕されたうちの1人が持っていた荷物を調べている。
ドイツでは今年7月に南部バイエルン(Bavaria)州ビュルツブルク(Wuerzburg)で難民の少年が列車の乗客におのやナイフで襲いかかり5人が負傷したほか、同州アンスバッハ(Ansbach)で難民申請者だったシリア人の男が自爆して15人が負傷する事件が起きている。両方の事件ともISが犯行声明を出しており、これらの事件により国民の安全に対する信頼が薄れてきている。
ドイツの警察は先に、安全の脅威となる人物523人の身元を特定しており、うち半数ほどが現在ドイツ国内にいると述べていた。(c)AFP/Jens-Ulrich Koch with Jessica Berthereau in Berlin