【10月7日 AFP】インド北部ウッタラカンド(Uttarakhand)州で、身分制度カーストの最下層ダリット(Dalit)の男性が製粉機を使ったことに腹を立てた教員が、口論の末、ダリットの男性を斬首した。警察当局が7日、述べた。インドではダリットの人たちへの攻撃が後を絶たない。

 PTI通信(Press Trust of India)によると、容疑者の教員は、ダリットのソハン・ラムさん(35)が製粉機を使ったことに腹を立て、製粉機を「不浄」にしたと非難したという。

 インドでは「不可触民」という考えが違法化されているものの、今でも一部のヒンズー教徒は、下層カーストの人との接触が不浄をもたらすと信じている。

 警察本部長のスクビル・シン(Sukhbir Singh)氏はAFPに「ソハン・ラムさんは製粉機を使ったことによりののしられ、それに抗議したところ、鎌で襲われた」と語り、「容疑者を逮捕した」と述べた。

 インドに深く根付いた社会階層の中で、かつて「不可触民」と呼ばれたダリットは、今も単純労働を担わされていることが多い。

 ダリットの人々は人口の16.6%、約2億人いるが、カーストによる差別が禁止されてから60年が過ぎた今でも迫害は続いている。(c)AFP