【10月7日 AFP】ブラジルでこのたび、同国史上最大となる恐竜の化石が見つかった──発見場所は博物館の保管室だった。

 化石は、6600万年以上前に生息していた体長25メートルの首の長い草食恐竜のもので、その大きな脊柱の一部が、1953年に著名なブラジル人古生物学者のルウェリン・イボル・プライス(Llewellyn Ivor Price)によって発見された。

 発見当時、研究者らはすぐに何か大きなものを見つけたとすぐに気づいたが、その大きさを解明できる専門家も資料もなかったため、化石はその後60年間、リオデジャネイロ(Rio de Janeiro)の地球科学博物館(Museum of Earth Sciences)の保管室に放置されていた。

 過去数年間にわたる研究の末、「Austroposeidon magnificus」はブラジル最大の恐竜であることが確認されるとともに、その化石が6日、初めて一般公開された。会場には、電子レンジほどの大きさのほぼ完全な脊椎骨の化石と、他の椎骨の破片が数多く並んだ。

 展示では、恐竜が小さい頭と長い首を持つ尾の長い巨大な個体であったことを伝える想像図が設置され、見つかった骨の骨格中の位置も示された。

 Austroposeidon magnificusは、サンパウロ(Sao Paulo)近郊の道路工事現場で偶然発見された。地球科学博物館のディレクターは「骨格全体ではなく、一部の骨の化石しか発見されていないが、これは、死骸の肉は動物や昆虫に残らず食べられ、骨の一部もバクテリアによって分解されたためで、その最期の様子を示すものだ」と述べている。(c)AFP/Sebastian Smith