【10月7日 AFP】国際オリンピック委員会(IOC)は6日、ロンドン五輪陸上女子走り高跳び金メダリストのアンナ・チチェロワ(Anna Chicherova、ロシア)が、2008年の北京五輪で採取された検体の再検査で、禁止薬物に陽性反応を示したとして、同五輪での銅メダルを剥奪することを発表した。

 IOCは声明で、34歳のチチェロワはティア・エルボー(Tia Hellebaut、ベルギー)、ブランカ・ブラシッチ(Blanka Vlasic、クロアチア)についで銅メダルを獲得した北京五輪の薬物検査で、禁止されているステロイドのトゥリナボル(turinabol)が検体から検出されたと明らかにした。

 同種目では同胞のエレーナ・スレサレンコ(Yelena Slesarenko)が4位に入ったが、銅メダルを繰り上げで手にする選手については明言されていない。

 IOCは現在、陸上競技におけるドーピング違反の浄化活動の一環として、北京五輪とロンドン五輪で選手から採取し保存されたサンプルの再検査を行っており、「プロセスの一環として、IOCは今日、アンナ・チチェロワが2008年の北京五輪から失格になったことを発表する」と語った。

 ロシアの陸上競技代表選手は国家ぐるみのドーピングを理由として、今年8月のリオデジャネイロ五輪では出場を禁止されていた。

 チチェロワは、6月に国際陸上競技連盟(IAAF)がロシア代表選手の出場禁止を支持する決定を下した際、「このやり方は、ドーピング問題に関わっていない選手たちにとってはあまりにも厳しすぎる。このように運命が変わってしまうような決断を目にするのは残念だ」とAFPに話していた。

 しかし同選手は7月、2008年のドーピング検査で陽性反応を示したとして、IAAFから資格停止処分になったことを公表していた。(c)AFP