イエメン反政府勢力が「救国政府」、政治的解決いっそう困難に
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【10月5日 AFP】イエメンのイスラム教シーア派(Shiite)系反政府武装勢力「フーシ派(Huthi)」は4日、アブドラボ・マンスール・ハディ(Abd-Rabbo Mansour Hadi)暫定大統領が率いる国際的に認知された政権と対立する「救国政府」を樹立した。
フーシ派とアリ・アブドラ・サレハ(Ali Abdullah Saleh)前大統領の政党が今年7月に設置した「最高政治評議会」は声明で、新政府はアブドルアジズ・ベンハブトゥール(Abdel Aziz Ben Habtoor)氏が率い、27人の閣僚を擁すると発表した。女性閣僚は5人でイエメンでは前例のない人数となった。閣僚には無党派とされている人物や、南部の独立主義者も含まれている。
ベンハブトゥール氏はサレハ前大統領率いる国民全体会議(GPC)の政治局員で、同国南部のアデン(Aden)州の知事を務めた経験もある。最高政治評議会の声明によると同氏は首都サヌア(Sanaa)で組閣するよう、今月2日に指名されていた。
反政府勢力が救国政府発足を発表したことにより、イエメン情勢の政治的解決はいっそう困難になるとみられる。
国連(UN)によると、イエメンではハディ暫定大統領を支援するサウジアラビア主導の連合軍が軍事作戦を開始した2015年3月以降の死者は6600人を超え、少なくとも300万人が避難を余儀なくされた。
反政府武装勢力は2015年3月以降、イエメン南部の大部分から撤退したが、依然として同国の紅海(Red Sea)沿岸のほぼ全域と首都サヌア周辺の広い範囲を支配下に置いている。(c)AFP