【10月5日 AFP】米大統領選挙の副大統領候補によるテレビ討論会が4日に開かれ、民主党のティム・ケーン(Tim Kaine)上院議員(58)と共和党のマイク・ペンス(Mike Pence)インディアナ(Indiana)州知事(57)が開始早々、激しく火花を散らした。

 11月8日の選挙まであと5週間と迫る中で、副大統領候補の直接対決は1度きり。ケーン氏とペンス氏は副大統領としての自らの資質を強調し合ったが、結局は両大統領候補の能力や経験について激突し、「代理戦争」を繰り広げる形となった。

 民主党のケーン上院議員(バージニア州選出)は、地方自治体から国政までの幅広い経験をアピール。民主党大統領候補ヒラリー・クリントン(Hillary Clinton)氏は信頼でき、米軍最高司令官としての資質も十分に備えていると評し、自分はクリントン氏の「右腕」になれると述べた。

 さらにケーン氏は「ドナルド・トランプ(Donald Trump)氏が最高司令官になると考えただけで死ぬほど恐ろしい」と述べ、「侮辱的で利己的で、何でも自分中心なドナルド・トランプ氏を、ペンス知事がどうやって擁護するのか想像できない」とけん制した。

 これを受けた共和党のペンス氏は冷静に反撃。クリントン氏が最近、トランプ氏に対して容赦ない批判を繰り広げていることを持ち出して「侮辱的な選挙運動の仕方ならば、あなたこそよく知っているだろう」と反撃した。さらにペンス氏は「世界の至る所、特に中東の広範囲は収拾がつかなくなっている。私たちが刻一刻と目にしている今日のシリア情勢は、(国務長官を務めた)クリントン氏が現政権下で協力し作り上げた弱腰の外交政策の結果だ」と詰め寄った。

 また両氏は、トランプ氏が確定申告書などの公開を拒否していることについて、互いの話をさえぎるようにして激論を交わし、司会者が止めに入る場面もみられた。(c)AFP/Amelie BARON