【10月5日 AFP】女子テニスのマリア・シャラポワ(Maria Sharapova、ロシア)は4日、スポーツ仲裁裁判所(CAS)が2年間の資格停止処分を短縮する裁定を下したことについて「人生最良の日」とコメントし、2017年4月の復帰を視野に入れていることを明かした。

 今年1月に行われた全豪オープン(Australian Open Tennis Tournament 2016)のドーピング検査で禁止薬物の「メルドニウム(Meldonium)」に陽性反応を示し、輝かしいキャリアに傷をつけたシャラポワだったが、CASは4日、「意図的なドーピング違反者」ではなかったとして、資格停止処分を15か月に短縮した。

 ツアー通算35勝で、生涯獲得賞金で3600万ドル(約37億円)以上を稼いでいるシャラポワは、「資格停止処分のことを知った3月から現在まで、選手生活において最も厳しい日々を過ごしてきましたが、4月にはテニスに復帰できると分かり、最高に幸せな一日になりました」とコメントしている。

「もうすぐ戻れる。待ちきれないわ!私の中から愛が奪い去られたように感じていましたが、それを取り戻せてとても気分がいいです。テニスは私の情熱であり、これまでそれを失っていました。コートに戻れる日を指折り数えています」

 コート上での激しさ、ビジネスの才覚、その端正な容姿によって広告業界においても絶対的な地位を築いているシャラポワは、国際テニス連盟(ITF)から2年間の資格停止処分が科されていた。処分は薬物違反が発覚した今年1月から適用されており、シャラポワは来年4月から復帰できる。理論上では来年の5月から6月にかけて開催される全仏オープン(French Open)に出場可能となった。

 CASは「反ドーピング規則に違反したが、シャラポワ氏に『重大な過失』はなかったことが判明した。一定の責任は認められるので、処分は15か月が妥当である」と発表し、シャラポワ側の異議申し立てを認め、処分を軽減した。より詳細なレポートには「(シャラポワを)『意図的な薬物違反者』とみなすことはどう考えてもできない」と記されている。

 10年間にわたり心臓の問題やマグネシウム欠乏症のためにメルドニウムを服用していたと弁明しているシャラポワは、同薬が世界反ドーピング機関(WADA)が定める禁止薬物のリストに追加されていたことを確認していなかったと一貫して主張している。

 フェイスブック(Facebook)に「私は10年以上にわたって服用してきた市販薬が禁止されたことを知らなかった責任を取っている」と投稿したシャラポワは、ITFへの不満も示している。

「同時に私はほかの競技連盟がいかに優れているかを知ることになった。彼らは選手にルール変更を通知しており、特に数百万人がミルドロネート(Mildronate、メルドニウムの薬品名)を使用している東欧では、周知を徹底していた」

「もうこのプロセスは終了した。ITFや関係する反ドーピング当局には、ほかの競技連盟がどのように対応したのかを学んでほしい。私以外のテニス選手が同じ思いをしなくて済むように」

(c)AFP/Eric BERNAUDEAU