ノーベル物理学賞、英国の3氏2組に エキゾチック物質研究で
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【10月4日 AFP】(更新、写真追加)スウェーデン王立科学アカデミー(Royal Swedish Academy of Sciences)は4日、2016年のノーベル物理学賞(Nobel Prize in Physics)を、エキゾチック物質の秘密を解明した業績により、英国出身のデビッド・J・サウレス (David J. Thouless)氏と、同じく英国のF・ダンカン・M・ホールデン(F. Duncan M. Haldane)、J・マイケル・コステリッツ(J. Michael Kosterlitz)両氏の2組に授与すると発表した。
選考委員会は声明で「今年の物理学賞は、物質が奇妙な性質を持ち得る未知の世界への扉を開いた。受賞者らは、超電導体や超流体、磁性薄膜といった、通常から逸脱した物質の位相、あるいは性質を研究するために先進的な数学的手法を用いた。彼らの先駆的な仕事により、この探求は今、新たに物質のエキゾチックな位相を追究している」と述べた。
また3人の先駆的な研究は「凝縮系物理学研究の最前線を引き上げ、とりわけトポロジカル物質が、エレクトロニクスや超電導体、未来の量子コンピュータの新世代で使用され得るという希望をもたらした」とも述べた。
3人の受賞者が専門とする位相幾何学(トポロジー)とは、伸張など物質を変形させる力が加わった下で不変を保つ、物質と空間の物理的特性を探る数学の一分野。(c)AFP