【10月3日 AFP】動物愛護団体によると、違法な犬の繁殖が産業規模で行われているアイルランドは「欧州の犬繁殖業の中心地」となっており、近年の取り締まりにもかかわらず利益のあがる違法繁殖を抑え込めていない。

 1匹あたり数百ユーロ(数万円)の値が付く犬が毎年数千匹、英国の港を経由して欧州本土に輸出されている。その多くが自動車のトランクに隠され運ばれている。

 近年アイルランド全土の港で取り締まりが実施されているが、動物愛護団体らは、大半が違法の犬輸出業者との苦戦を強いられている。年間に保護する子犬の数は3万匹以上、2000万ユーロ(約23億円)相当に上る。ここ2か月だけでも各港でリーク情報に基づいた取り締まりが7回行われ、子犬150匹が保護された。

 公式資料によると、アイルランドでは犬繁殖場が73件しか登録されていないにもかかわらず、毎年3万匹以上の子犬が産まれている。英国では895件の登録施設で毎年約7万匹の子犬しか生まれていないのと対照的だ。

 動物福祉団体によると、アイルランドには繁殖用の雌犬を500匹以上飼育している繁殖場もある。ダブリン動物虐待防止協会(DSCPA)は、繁殖用の雌犬を1軒あたり10匹以下に制限すべきだと考えている。(c)AFP/Douglas DALBY