紛争地帯の病院への攻撃増加、「前例ない」頻度 国境なき医師団
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【10月3日 AFP】国際医療支援団体「国境なき医師団(MSF)」は2日、シリアやイエメンで病院・医療施設に対する攻撃が「前例のない」頻度で起きていると強く非難した。
MSFは、アフガニスタン北部クンドゥズ(Kunduz)で運営していた病院が米軍に攻撃され、42人が死亡した事件から3日で1年を迎えるに当たり、同国の首都カブール(Kabul)で記者会見を開いた。
「この1年間で、MSFがシリアとイエメンで運営・支援する医療施設に対する攻撃は77件に上った。前例のない数だ」。MSFのメイニー・ニコライ(Meinie Nicolai)氏はこのように述べ、「病院は今や戦場の一部だ」と付け加えた。
ニコライ氏によれば、イエメンとシリアでは「ほとんどの場合、対テロ戦争の名の下に医療施設とスタッフが標的にされている」という。特にシリアでは、民間病院と救急車への攻撃が「組織的に」行われているという。
米軍によるクンドゥズの病院攻撃は世界中から非難を受け、バラク・オバマ(Barack Obama)米大統領がアフガニスタン駐留米軍を代表して謝罪に追い込まれる異例の事態となった。MSFによると、米軍のAC130攻撃機による攻撃は1時間近く続き、患者がベッドの上から動けないまま焼かれたり首や手足を切断されたりしたという。
MSFはこの攻撃を戦争犯罪だと批判しているが、米軍が行った調査では今年初め、さまざまなミスが重なって病院を攻撃してしまっただけだとして、攻撃に関与した米兵が戦争犯罪で訴追されることはないとの結論を下している。(c)AFP