【10月1日 AFP】米紙USAトゥデー(USA Today)は30日の社説で、米大統領選の共和党候補、ドナルド・トランプ(Donald Trump)氏は「危険な扇動政治家」で大統領には不適格であると評し、読者に対し同氏への投票を拒否するよう呼び掛けた。

 米国で最も広く購読されている全国紙の一つである同紙は、34年前の創刊以来、大統領選で特定の立場を取ったことは一度もなく、トランプ氏不支持の表明は同紙の伝統を破る形となった。

 同紙は社説で、「15か月前に立候補を表明してから今週の第1回討論会まで、トランプ氏は米国の大統領として必要な気質や知識、堅実性、誠実さを欠くことを繰り返し示してきた」と表明。「トランプ氏は大統領に不適格である」と述べ、その根拠を8つ挙げた。

 一方で、民主党候補のヒラリー・クリントン(Hillary Clinton)前国務長官については、編集部内で合意に達しなかったとして、支持表明には至らなかった。同紙はクリントン氏にも特権意識や率直さ不足、機密情報の取り扱い不注意などの欠点はあるとした上で、「その欠点が国家の安全を脅かしたり、憲政の危機を招いたりする可能性は(トランプ氏の欠点よりも)かなり低いだろう」と述べている。(c)AFP