トランプ氏が対キューバ制裁違反か、クリントン氏が批判
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【9月30日 AFP】米大統領選の民主党候補ヒラリー・クリントン(Hillary Clinton)氏は29日、国益よりも自身の利益を優先させて米国の対キューバ制裁措置に違反し米国の法律を破ったとして、ライバルの共和党候補ドナルド・トランプ(Donald Trump)氏を不誠実だと攻撃した。
クリントン氏は、対キューバ制裁措置が敷かれていた1990年代にトランプ氏がキューバに持っていた事業権益は「米国の法律に違反していたとみられ、米国の外交政策をないがしろにしていたことは確実」で米国の有権者を欺いたと批判した。
先に米誌ニューズウィーク(Newsweek)は、トランプ氏が経営するホテルとカジノの幹部らが1998年にキューバ進出を視野に同国を訪問した際、米ドルで6万8000ドル(約690万円)を費やしたと報じていた。この時期は米国が数十年におよんだ対キューバ制裁を緩和するはるか前で、米国政府の許可なしにキューバでの金銭支出は違法とされていた。トランプ氏の企業の元経営幹部は匿名を条件に、キューバでの支出について渡航前に米政府の認可は受けなかったとニューズウィークに語っている。
ニューズウィークによると、トランプ氏の企業はキューバ国内で直接支出するのではなく、コンサルティング会社「セブン・アロウズ・インベストメント・アンド・ディベロップメント(Seven Arrows Investment and Development)」を経由し慈善事業を装って大金を支出していた。このことはトランプ氏も承知していたという。
有権者の支持が民主党と共和党の間で揺れることから「スイング・ステート」と呼ばれる激戦州の一つであるフロリダ(Florida)州では、キューバの社会主義体制に批判的なキューバ系米国人の有権者が一定の存在感を持っていることから、この件はトランプ氏にとって問題になる可能性もある。(c)AFP/Andrew BEATTY