【9月29日 AFP】オーストラリア南部サウスオーストラリア(South Australia)州で28日、雷を伴う嵐により、全域で停電が発生した。29日夜も悪天候が続く見通しとなっている。

 サウスオーストラリア州は28日、激しい雷雨と最大瞬間風速約39メートルの強風、大粒のひょうに見舞われ、午後に州全域で停電が発生。停電は広い範囲で被害や混乱をもたらした。観測された落雷数は約8万に達し、インフラ施設などを直撃した。当局は、今後も洪水や強風、豪雨、高波などの恐れがあるとして注意を呼び掛けている。

 同州のジェイ・ウェザリル(Jay Weatherill)州首相は、州北部を「2つの竜巻」が襲ったと述べた。州北部では今後数日間、停電が復旧しない見通しとなっており、4万世帯が影響を受けるとみられる。またウェザリル州首相は「嵐の力で送電塔23本が地面から引き抜かれた」と述べ、「われわれはまだ嵐の中にいる。(過ぎ去るまでには)まだかなりの道のりがある」と警告した。

 だが、ウェザリル州首相によると、これまでのところ負傷者や死者は出ていない。

 オーストラリア気象局は今回の嵐を50年に一度の出来事と呼び、また、同州を強い低気圧が通過することから、29日午後にかけて新たな暴風雨の警報を出した。(c)AFP