【9月28日 AFP】イタリアの由緒あるボローニャ大学（University of Bologna）で、ある教授が学生に文献の丸写しを許しているとして、議論を呼んでいる。この教授は、盗用を行っている教授たちの規範に倣っただけだと主張している。

　学生に文献の丸写しを許すような発言をしたのは、1088年創立の欧州最古のボローニャ大学に所属するルッチオ・ピッキオ（Luccio Piccio）政経学部教授。同僚の一部教授らが不正から免除されていることに、これ以上我慢ができないとの理由から行動に出たのだという。

　同教授がインターネットに投稿したメッセージには、「私は君たちが丸写しをしたか否かを調べないことを通告する。なぜなら、私の良心を顧みて、（同大学が）教授職員らには違反を許している規則を、君たちに守るよう要求することはできないからだ」とあり、そして「実際、盗用を行った教授の免罪を保証するシステムが存在している」とも記されていた。

　ピッキオ教授はこのメッセージの中で、同僚の教授数名がボローニャ大学における「沈黙の掟（おきて）」により罰を免れたことを指摘しながら、盗用が証明された事例数件を引き合いに出した。またこれと対比させる形で、試験中にスマートフォンとイヤホンをつけていたのが見つかり、3か月の停学となった最近の女子学生の事例にも触れている。

　引き合いに出された2015年1月の事例によると、ある教授が別の著者から盗作を行ったことを大手科学研究所の幹部がボローニャ大学の学部長に宛てた手紙で主張したが、大学はいかなる盗作や知的不正も許していないと明言。当人も「掟」を守り、最近「ボローニャの著名な研究所」所長に任命されているのだという。(c)AFP