【9月27日 AFP】大気中の温室効果ガスのレベルが現在のまま保たれた場合でも、地球の気温は今後、耐え難いほど高温になる恐れがあるとする研究論文が26日、発表された。研究では過去200万年の地球の表面温度が初めて明らかにされている。

 英科学誌ネイチャー(Nature)に掲載された研究論文によると、「温室効果ガスが今日のレベルで安定するということは、今後数千年の間に地球全体の平均気温が5度上昇する恐れがあることを示している」という。

 英オックスフォード(Oxford)で先週行われた会議では、地球の平均気温は産業革命前と比べて1度上昇しており、今後10年以内に1.5度の上昇となる可能性もあることが専門家から報告されている。

 米スタンフォード大学(Stanford University)の古気候学者キャロリン・スナイダー(Carolyn Snyder)氏が行った今回の研究では、過去200万年にわたる地球の平均表面温度の推移が初めて明らかになった。

 研究でスナイダー氏は、59の海洋堆積物コアから2万ビットのデータを抽出し、1000年間隔の気温年表を作成した。この同氏が採用の手法について、ある気象専門家は「独自のアプローチ」と述べている。

 そして、この手法で導き出された結果は、地球の平均気温と大気圏の温室効果ガス濃度との間の確立された関連性に合致していた。新たなデータからは、大気圏の二酸化炭素濃度が2倍になると、地球の平均気温が9度上昇する可能性も示された。こうした気温上昇の下では、氷床が融解し、海水面が数十メートル上昇する恐れもあるという。

 ただスナイダー氏の研究に参加していない別の専門家らは、同氏の論文は真偽が定かでない仮説を多数論拠としているとして注意を促している。(c)AFP/Marlowe HOOD