【9月27日 AFP】セルビアの全国紙に掲載された小さな広告が、父親の誇らしさと親の苦労を物語っているとして国内で話題になっている。

 謝罪広告はブランコ・ドュリッチ(Branko Djuric)さん(56)が、自身の息子が高等教育を修了できないと思っていたことを謝罪する内容。ドュリッチさんの息子は最近、大学を卒業した。

 セルビア紙ポリティカ(Politika)に週末掲載された広告には「電気工学で学位を取ると信じていなかったことを息子のイリア・ドュリッチ(Ilija Djuric)に謝罪する」と書かれている。

 謝罪広告の掲載を受けて地元メディアの取材に応じたドュリッチさんは、イリアさんが大学1年のときに苦労しているのを見て、学業をやり遂げることはできないと思うと本人に話したと、当時のことを説明した。「息子に言ったんです。お前が卒業証書をもらったら公に謝罪してやるってね」

 イリアさんが正式に電気通信技術者になると、ドュリッチさんは約束通りポリティカの広告部門に連絡した。

 ドュリッチさんの謝罪広告はセルビアのソーシャルメディアで多数の人々にシェアされ、大いに話題となった。学業に苦労している子どもを持つある親は、「私も同じようなことができたらいいんだが」と投稿している。

 セルビアの若者は10年ほどかけて学位を取るのが一般的。(c)AFP