【9月25日 AFP】ダイヤ生産最大手デビアス(De Beers)は20日、世界有数の埋蔵規模とされるカナダ北部のガーチョ・クエ(Gahcho Kue)鉱山の操業を正式に開始した。

 鉱山はノースウェスト準州(Northwest Territories)の州都イエローナイフ(Yellowknife)から約280キロ離れた場所にあり、北極圏(Arctic Circle)に近い。鉱山の開山式の会場でAFPのインタビューに応じたデビアスのブルース・クリーバー(Bruce Cleaver)最高経営責任者(CEO)は「操業を開始した鉱山としてはここ13年で最大のものであり、南アフリカ以外では最大だ」と説明した。

 ガーチョ・クエの名前は、先住民チペワイアン(Chipewyan)の言語で「大きなウサギ」を意味することばに由来する。鉱山の権益は、南アフリカのヨハネスブルク(Johannesburg)に本社を置くデビアスが51%、提携先のカナダ企業マウンテン・プロビンス・ダイヤモンド(Mountain Province Diamonds)が残り49%をそれぞれ保有している。

 ガーチョ・クエのダイヤ鉱床は1995年に発見され、開発コストは10億ドル(約1010億円)を超えた。鉱山は露天掘りで、アクセス手段は航空機に限られるが、冬季の数か月間はトラックで氷上を走行してたどり着ける。

 デビアスは鉱山寿命を2028年までとした上で、5400万カラットの原石採掘を見込む。作業員としては530人を雇用し、鉱山より南にある町から航空機で鉱山に輸送する。勤務は2週間のローテーション制だ。

 2015年のダイヤモンドの消費者向け販売額は、中国の景気減速や金融市場の世界的な混乱が響き、前年比2%減の790億ドル(約8兆円)だった。デビアスが今月発表した見通しによると、こうした低迷は向こう10年間続くと予想されている。

 ダイヤモンドの従来からの大型市場は米国、中国、インド、日本で、年間販売量の73%前後を占めている。(c)AFP