【9月23日 AFP】フィリピンのロドリゴ・ドゥテルテ(Rodrigo Duterte)大統領(71)は22日、自らの掲げる「麻薬撲滅戦争」で超法規的な殺人が横行していると批判されていることについて、国連(UN)事務総長や人権専門家を調査のためフィリピンに招待したと明かした。

 今年6月30日のドゥテルテ大統領就任以来、フィリピンでは「麻薬撲滅戦争」で3000人以上が殺害されている。これまでドゥテルテ氏は国連や人権団体からの批判を下品な言葉ではねつけていた。

 22日に行った演説の中でドゥテルテ氏は、国連人権特別報告者と潘基文(バン・キムン、Ban Ki-moon)国連事務総長、欧州連合(EU)の担当者、それぞれの弁護士らを「我が国を訪れ、私を取り調べるよう招待した」と述べ、近く正式な招待状を送ると語った。

 その上でドゥテルテ氏は「しかし、彼らが私を尋問した後、私も公の場で彼らを1人ずつ尋問する。あいつら悪魔を私がどうたたきのめすか、そのとき分かるだろう」と述べた。

 国連は先月、ドゥテルテ政権下における人権侵害の実態調査のためフィリピンを訪問したい考えを表明したが、フィリピン政府はこれを拒否。その後、ドゥテルテ氏は国連脱退をほのめかす発言をしたが、後に「ジョークだった」と釈明した。(c)AFP