【9月21日 AFP】中国のセキュリティー研究チームが、米電気自動車(EV)メーカーのテスラモーターズ(Tesla Motors)の「モデルS(Model S)」をハッキングし、同モデルに存在する複数の脆弱(ぜいじゃく)性を公表した。米メディアが20日、報じた。

 米CNBCの報道によると、中国IT大手の騰訊(テンセント、Tencent)がテスラ側にハッキングの事実を通知したという。これを受けてテスラは、問題を修正するパッチの配布を行っている。

 CNBCは、ハッキングした研究チームについて、テンセントに所属するキーン・セキュリティー・ラボ(Keen Security Labs)であるとし、「悪意のあるWiFi(無線LAN)」スポットに接続し、ウェブブラウザを用いてハッキングを行ったと伝えた。同ラボはブログで、「最新ファームウエアを搭載した無改造の車で、この攻撃の実演をした」と述べている。

 テスラはCNBCに対し「潜在的なセキュリティー上の問題を解決するソフトウエアアップデートを無線で配布した」ことを明らかにした。また「この実演された問題は、ウェブブラウザが使用されている状況で、悪意のあるWiFiスポットのそばに自動車があり、かつ同スポットに自動車が接続している状態でのみ発動する」と説明し、「顧客に影響を及ぼすリスクは非常に低いが迅速に対応した」と続けた。

 テスラはさらに、「われわれは、今回の実演を行った研究チームを称賛し、バグ懸賞金プログラムにのっとって表彰する方針だ。同プログラムはこういった研究を推奨するために設立されたものだ」と述べている。(c)AFP