【9月21日 AFP】イスラエル警察は、同国南部ネゲブ(Negev)砂漠で、裸で建物の壁に鎖でつながれている遊牧民ベドウィンの男性(43)を20日に発見したと明らかにした。男性は15年ほどつながれた状態だったと話しているという。

 警察官が男性を発見したのは、イスラエル南部ベエルシェバ(Beersheba)の東約20キロにあるアルフォラ(Alfora)地区。警察の声明によると、違法建築の解体作業を監督していた警察官の一人が物置から悲鳴がするのを耳にして近づいていったところ、男性が衣服を身に着けていない状態で壁に鎖でつながれていたという。

 初動捜査によれば、男性は精神疾患を患い、子どもたちに石を投げたために男性の家族が鎖でつないでいた。国内メディアの報道によれば男性の顔は汚れ、髪とひげは何年も伸ばしっぱなしのようだった。

 警察は、父親と兄弟の身柄を拘束して取り調べた後、条件付きで釈放したことを明らかにしたが、詳細については言及していない。男性は病院に搬送され、社会福祉局にも通知された。イスラエル警察は男性が話した内容が事実かどうか捜査を進めている。

 砂漠の遊牧民の血を引く約30万人のベドウィンの人々は現在、イスラエルのネゲブ砂漠を中心に暮らしている。電気や水道が通っていない、正式には認められていない村で極度の貧困生活を送っている人も相当数に上っている。(c)AFP