【9月21日 AFP】米大統領選の共和党候補ドナルド・トランプ(Donald Trump)氏に、事業に絡んだ訴訟の和解金の支払いに自身の慈善団体の資金を流用し、非営利組織の運営に関する法令に違反した可能性が浮上している。米紙ワシントン・ポスト(Washington Post)が20日に報じた。

 ワシントン・ポストによれば、慈善団体「トランプ財団(Trump Foundation)」の運営資金はほぼ第三者からの寄付金で賄われているが、法的文書や納税記録を調べた結果、トランプ氏が関与した複数の訴訟の和解金計25万8000ドル(約2600万円)が同財団から支出されていたことが判明した。

 同紙はトランプ財団の財務情報を数週間にわたって調査。それによるとトランプ氏は2009年以来、同財団に全く寄付していない。

 その一方でトランプ財団はトランプ氏の和解金を違法に肩代わりした疑いがある。その一つでは、トランプ氏がフロリダ(Florida)州パームビーチ(Palm Beach)と争った訴訟の和解の一環で、2007年に退役軍人の慈善団体に10万ドル(約1000万円)を寄付した。

 この法廷闘争では、トランプ氏がパームビーチで経営しているリゾート施設「マーアーラゴ・クラブ(Mar-a-Lago Club)」に設置された国旗掲揚台の高さが条例で定められた12メートルを上回る24メートルだったために、町側が12万ドル(約1200万円)の罰金の支払いを命令。トランプ氏側がこれに抗議して町側に対する「逆告訴」に踏み切った。

 ワシントン・ポストは、トランプ氏が2007年に財団の資金2万ドル(約200万円)で1.8メートル大の自画像を購入したとも報じている。(c)AFP