【9月21日 AFP】今夏の欧州選手権(UEFA Euro 2016)でベスト8に躍進したサッカーアイスランド代表が、発売間近のサッカーゲーム「FIFA 17」に収録されていないことが判明した。同国のサッカー協会と発売元のエレクトロニック・アーツ(EA)との間で、ライセンスに関する交渉が決裂したためだという。

 アイスランドサッカー協会(KSI)のゲイル・トルステインソン(Geir Thorsteinsson)会長は、提示された金額が同国への敬意を欠いたものだったと話しており、EAに対して怒りをあらわにしている。

 トルテイソン会長は「ひどい扱いを受け入れることはない。彼らは200万アイスランドクローナ(約180万円)以下のオファーを提示してきた。そこで、こちらから逆オファーを提示したが、今度は向こうが受け入れなかった」と語った。

 FIFAシリーズは世界中で人気のサッカーゲームで、最新作のFIFA 17は北米版が9月27日に、そのほかの地域では2日後の29日に発売される。

 アイスランドでマーケティング・コンサルタント業を営むアンドレス・ヨンソン(Andres Jonsson)さんは、協会の判断を嘆いている。ヨンソンさんは、欧州選手権で躍進したチームが露出する絶好の機会を逃してはならないとして、協会に再考をうながしている。

「何百万という人間がこのゲームでプレーするんだ。アイスランドはカルト的な人気のあるチームで、ゲームで使用できればさらに注目を集めた可能性もあったのに。このゲームでは、変わったプレーヤーがあまり強くないチームを使い、そこから人気に火がつくということがよくあるんだ」

 欧州選手権でアイスランドは、準々決勝で開催国フランスに敗れたものの、イングランドを2-1で破ってベスト8に入り、大会史に残る驚きをもたらした。試合後にファンとともに拍手で勝利を祝うスタイルは、大会中に熱狂的な人気を集め、決勝に進出した開催国フランスまでもがまねするようになった。(c)AFP