【9月20日 AFP】オーストラリアの観光名所の巨大な一枚岩、ウルル(Uluru、エアーズロック、Ayers Rock)で18日、クレバスに迷い込み遭難した若い男性3人が、深夜の困難な救出活動を経て翌19日、無事帰還した。

 オーストラリア北部特別地域(Northern Territory、準州)当局によると、全員22歳のオーストラリア人男性3人は18日、通常の登山道から外れ、ウルルのクレバスに向かって急斜面をはい降りたが、その後、身動きがとれなくなってしまった。だが3人は、深夜の強風の中、320メートルの高さを懸垂下降した救助隊によって、救出された。

 まず警察が、3人が無傷かつ飲料水を十分持っていることを確認すると、救助隊がヘリコプターでウルルの頂点に降り立ち、複雑な救出活動を開始した。3人の元へ救助隊が到達したのは18日午後11時30分(日本時間18日午後11時)ごろ。その後、ウルルのふもとへ1人ずつ搬送した。数時間かかった救出活動中、7人の救助隊はヘッドランプの光だけを頼りに行動した。

 緊急救助ボランティアのアラン・レーヒー(Alan Leahy)氏は「ライトは消えそうで、アンカー(ロープの支点)もなかったため、救助には時間がかかったが整然とやる必要があった。320メートルを懸垂下降して、遭難者にたどり着いた。風が非常に強く、ロープが常にもつれていた」と振り返った。

 準州当局のニコール・オギルビー(Nicole Ogilvie)報道官は「(遭難した)3人はけがもなく幸運だった。登山道を外れれば大変なことになる」と語った。ウルルでは昨年、台湾人観光客がクレバスに落下し、重傷を負っていた。(c)AFP