【9月19日 AFP】バチカン(ローマ法王庁)とイタリア・ローマ教区の悪魔払い師(エクソシスト)だったローマ・カトリック教会のガブリエーレ・アモルト(Gabriele Amorth)司祭が死去した。91歳だった。イタリアのメディアが関係者の発表として18日報じた。アモルト氏は呼吸器系疾患を患っていた。

 アモルト氏は1954年に司祭に叙階された。間もなくエクソシストの第一人者として知られたカンディド・アマンティーニ(Candido Amantini)司祭に次ぐ立場となり、1990年にアマンティーニ氏の後任としてバチカンの「主任エクソシスト」に就任した。

 アモルト氏は「国際エクソシスト協会(AIE)」を設立し、2000年に引退するまで会長を務めた。AIEには今日、30か国で活動する250人のエクソシストが所属している。

 2013年にはフランスの出版社が、人に「取りついた」悪魔を追い払うのではない祈祷の儀式を含め、16万件の悪魔払いを行ったとするアモルト氏本人の言葉を紹介。同年、著書『ラスト・エクソシスト──悪魔と私の戦い』がフランスで刊行された。

 アモルト氏はまた、人気児童小説「ハリー・ポッター(Harry Potter)」シリーズについて、子どもたちに黒魔術を信じ込ませるものだとして非難していた。

 バチカンは2014年にAIEを公認したが、カトリック教会の中には悪魔払いを疑問視する見方もある。(c)AFP