【9月19日 AFP】ナイジェリアのムハンマドゥ・ブハリ(Muhammadu Buhari)大統領が「変革は私から始まる」と述べた最近の演説が、バラク・オバマ(Barack Obama)米大統領が2008年の大統領選挙の際に行った勝利演説をまねたものだったことが分かり、盗用だとして非難を浴びている。

 ブハリ氏は1980年代に軍人としてクーデター政権を率いた際に開始した「不規律との闘い」を引き継ぐとして、今月8日、ナイジェリア国民に賄賂などの撤廃を呼び掛けるキャンペーンを発表。首都アブジャ(Abuja)で行った式典での演説で「長年わが国に害をもたらしてきた党派心や狭量さ、未熟さに立ち返りたいという誘惑に抵抗しなければならない」と語り、「自分がどれだけ変わったか、まずは自問しなければならない。変革の中で自分は何を行ってきたか、と」と述べた。

 ナイジェリア大統領府は14日になって、この演説の一部が、オバマ米大統領の演説から借用したものであることを認める声明を発表。その中で、ガルバ・シェフ(Garba Shehu)大統領報道官は「偶然の一致として見過ごせないほど、2008年のオバマ大統領の勝利演説と似た点を、ある段落で認めた」とし、「熱心過ぎた」原稿作成者は「適切な処分」を受けるだろうと述べた。

 これに対し、ブハリ大統領は事前に原稿に目を通していなかったのかとの批判が上がっている。米ニューヨーク(New York)で今週から始まる国連総会への出席のため世界各国の指導者が準備を進める中にあって、ナイジェリアの対外イメージに傷がつくといった懸念の声も聞かれる。野党勢力のアデヤンジュ・デジ(Adeyanju Deji)氏はツイッター(Twitter)に「大統領とその側近はもう少しうまくやるべきだ。お願いだから、偉大なるわが国に恥をかかせないでほしい」と書き込んだ。(c)AFP