【9月17日 AFP】英南部の海辺の観光地ブライトン(Brighton)に先月オープンしたばかりの世界一高い可動式展望台で、来場者がバーに殺到して荷重が移動したため安全装置が作動し、約200人が2時間にわたって空中で閉じ込められるアクシデントがあった。展望台は最強レベルの強風にも耐えられるように設計されているが、内部での移動に対する脆さが露わになった格好だ。地元メディアが報じた。

 先月4日に開業した可動式展望台「i360」は、高さ162メートルの鋼鉄製の細長いタワーを、ドーナツ型をした全面ガラス張りの展望台が日に数回ゆっくりと昇り降りするもの。「世界一細いタワー」としてギネス世界記録(Guinness World Records)に認定されている。

 展望台が緊急停止したのは先週、内輪だけのパーティーが開かれていた最中のこと。センサーが荷重の移動を検知し、安全装置が作動した。荷重が移動した理由について、設計を手掛けたデービッド・マークス(David Marks)氏は地元紙アーガス(Argus)の取材に「人々が北側からバーのある海側に移動したため」と語っている。

 この結果、展望台内にいた200人ほどが約2時間にわたって空中で閉じ込められた。

 展望台はマークス氏と妻のジュリア・バーフィールド(Julia Barfield)が設計した。2人は、2000年の開業以来ロンドン(London)の人気観光スポットの一つになっている観覧車「ロンドン・アイ(London Eye)」も手掛けている。

 展望台の総工費は4600万ポンド(約61億円)。最上部からは42キロに及ぶ海岸やイギリス海峡(English Channel)を見渡せる。(c)AFP