【9月16日 AFP】2年前に中国でスパイ行為と国家機密窃盗の容疑で身柄を拘束され、その後起訴されていたカナダ人のケビン・ギャラット(Kevin Garratt)さんが、釈放されてカナダに帰国した。ギャラットさんの家族が15日、明らかにした。

 ギャラットさんは2014年、北朝鮮との国境沿いに位置する中国北東部丹東(Dandong)で妻のジュリア・ドーン・ギャラット(Julia Dawn Garratt)さんとともに拘束され、後にジュリアさんだけが保釈されていた。

 ギャラットさんとジュリアさんはともにキリスト教徒。拘束前は丹東でカフェを営み、貧困に苦しむ北朝鮮の人たちに支援物資を送る活動を積極的に行っていた。

 ギャラットさんの家族が16日に発表した声明によると、ギャラットさんは13日に丹東の裁判所で判決が言い渡され、15日にカナダへ送還されたという。

 夫妻が拘束されたのはカナダが中国によるハッキングを非難した1週間後だったことから、2人の身柄拘束は中国政府の報復ではと批判の声が上がっていた。

 カナダのジャスティン・トルドー(Justin Trudeau)首相は、ギャラットさんの帰国を歓迎するとともにギャラットさん夫妻を始めとする同家の「崇高さと忍耐力」を称賛した。(c)AFP