英政府、中国出資の原発計画を最終承認 安全保障面で一定の条件も
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【9月16日 AFP】英政府は15日、フランス電力(EDF)が中国企業の出資を受けてイングランド(England)南西部ヒンクリーポイント(Hinkley Point)に原発を建設する計画を最終承認したと発表した。ただ、中国の役割をめぐる懸念に対処して、EDFによる権益売却を阻止できる条件も設けた。
総事業費180億ポンド(約2兆4300億円)のこの計画は英国のデービッド・キャメロン(David Cameron)前首相の主導で取りまとめられていたが、後任のテリーザ・メイ(Theresa May)首相は7月の就任直後に見直しを命じ、衝撃が走っていた。
英政府が最も懸念していたことの一つは、極めて重要なインフラ事業に対して中国の巨額出資を認めることによる安全保障への影響だ。ヒンクリーポイント原発には中国の国有企業、中国広核集団(CGN)が3分の1を出資することになっている。
こうした懸念に対応して英ビジネス・エネルギー・産業戦略省は、英政府がEDFによる権益売却を阻止するため介入できるようにする措置を取ると説明。今後の原発事業に対して政府の管理を強化していく方針を示した。
フランスや中国の関係企業などは承認を歓迎。EDFのジャンベルナール・レビー(Jean-Bernard Levy)最高経営責任者(CEO)は「欧州の原発を再生させていくものだ」とたたえ、CGNも声明で決定を「喜んでいる」と述べた。
中国国営の新華社(Xinhua)通信も歓迎すべき動きと評する一方、「英政府が中国嫌いを止め、中国政府と協力してこの事業を円滑に進めていくよう希望したい」と注文した。(c)AFP/Katherine HADDON