【9月15日 AFP】コリン・パウエル(Colin Powell)元米国務長官が、米大統領選の共和党候補ドナルド・トランプ(Donald Trump)氏を「国家の恥」や「国際社会ののけ者」などと辛らつに批判した一連の電子メールが、インターネット上に流出した。

 パウエル氏は、共和党のジョージ・W・ブッシュ(George W. Bush)政権で国務長官を務めたものの、その後の2度の大統領選では民主党のバラク・オバマ(Barack Obama)現大統領を支持していた。

 流出した電子メールは、これまでにも米国の要人の情報漏えいに関わってきたウェブサイト「DCリークス(DC Leaks)」が入手したもので、ニュースサイト「バズフィード(BuzzFeed)」が最初に公開した。

 パウエル氏はその中で、「彼(トランプ氏)は共和党支持者の中でも最悪の部類や、貧しい白人層の人気を得ている」と言明。先月に元側近と交わしたやりとりでは、オバマ氏の国籍を疑問視する「バーサー(Birther)」運動を「人種差別」と厳しく非難した。トランプ氏は、このバーサー運動の先鋒の一人となっている。

 パウエル氏は「そう、バーサー運動は全て人種差別だ。99%の人がそう思っている。トランプはこの主張が通らないと分かると、今度は(出生)証明書に彼(オバマ氏)がイスラム教徒と書いてあるか知りたいと言った」と述べている。

 パウエル氏は、米NBCニュース(NBC News)の取材に対し、流出したメッセージは本物であると認めた上で、ハッカーらは「もっと多く」を所有していると語っている。

 米ニュースサイト「デーリー・コーラー(Daily Caller)」によると、ハッカーらはDCリークスにパウエル氏のメール約3万通を提供したとみられる。(c)AFP