【9月14日 AFP】バラク・オバマ(Barack Obama)米大統領は13日、中国政府が自国のコメ、小麦、トウモロコシに「不当な」補助金を出しているとして、世界貿易機関(WTO)に提訴した。

 米国側は、中国が自国産の穀物に対して、WTOが定めた水準を超過する1000億ドル(約10兆円)の「市場価格支持」を行っていると主張している。中国は小麦とコメの世界最大の生産国で、世界中の市場に対して強い影響力がある。

 オバマ大統領はWTOへの提訴を発表する声明で、「他国が規定を無視して米国の労働者や農業従事者の競争力を弱めようとした場合は、その責任を取らせる」と述べた。

 またWTOへの提訴を発表するに当たり、米当局は、中国当局は2012年以降、穀物商品の規定基準を8.5%上回る補助金を出し続けてきたと主張している。

 一方、中国商務省は米国からの提訴を受け、中国のコメ、小麦、トウモロコシに対する補助金はWTOの規定に沿っていると反論している。

 ある商務省高官は13日、「農業はどこの国でも根幹となる産業で、大勢の農業生産者の経済的利益を左右する」との声明を発表。政府が自国の農業部門を支援するのは「国際的な慣例だ」と述べている。(c)AFP