大会後の安楽死、パラ陸上選手「まだその時ではない」
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【9月12日 AFP】耐えがたい身体的な苦痛のため、参加しているリオデジャネイロ・パラリンピック後の安楽死も考えていると報じられた車いす陸上のベルギー代表マリーケ・フェルフールト(Marieke Vervoort)選手(37)は11日、応じた記者会見で「今はまだその時ではない」と語った。
車いす陸上400メートルで銀メダルを獲得したフェルフールト選手は同日の記者会見で、自身の安楽死をめぐる報道については、現時点での差し迫った決断ではないとの考えを示した。ベルギーでは安楽死が法律で認められている。
フェルフールト選手は、「安楽死の書類は手元にあるが、まだ(人生の)その時、その時を楽しんでいる。つらい日が楽しい日を上回ったら…そうすべき時がきたら私にはこの書類がある。今はまだその時ではない」と語った。
その一方でフェルフールト選手は、今回が最後の競技になるということを確認し、また安楽死の書類には2008年にすでに署名を済ませていることを明らかにした。
フェルフールト選手には脊椎の変性疾患があり、恒常的な痛みのせいで眠ることもままならないという。
大会終了後は、現役を引退し、自身の生活を楽しんだり家族や友人らに対してより多くの情熱を傾けたり、これまで練習漬けの毎日でできなかったことをやるつもりだと述べた。
安楽死についてフェルフールト選手は、それが法的に許されていることで、命ある限り前進してみようと考える上での勇気になったと話し、「それは、休息の感覚を人々に与えてくれる。もし(安楽死の)書類を手に入れてなかったら、自ら命を絶っていたかもしれない。これほどの痛みとつらさ、そして(不確かで)不安な生活を送るのはとても大変なことだ。自分には、自分の限界が分かる。その時には(安楽死の)書類がある」と続けた。(c)AFP