【9月10日 AFP】フランス・アルプス(French Alps)の高峰モンブラン(Mont Blanc)の氷河の上で立ち往生したゴンドラ内でドラマチックな一夜を過ごした33人が9日、18時間の苦難を乗り越えて地上に帰還した。ロープウエーの運営会社が明らかにした。

 彼らは8日午後にロープウエーが停止した際、ゴンドラに取り残された乗客110人の最後の33人。

 ゴンドラは標高約3800メートルの位置で宙づりとなり、暗く凍える一夜を過ごした後、9日午前8時(日本時間同日午後3時)ごろ運行を再開した。当局によると、33人の乗客は下りの3か所でゴンドラから地上に降りた。

 乗客77人は8日に救出された。ほとんどはヘリコプターで救出されたが、中には救助隊の支援を受けつつ自力で脱出した乗客もいた。しかし日が落ちて天候が悪化したために救出活動は中断された。宙づりとなったゴンドラ内に取り残され、一夜を過ごした乗客の中には12歳の少年もいた。

 この少年の姉のマリア・エレーナ・ペローネ(Maria Elena Perrone)さん(18)は8日に救出されてからずっと、別のゴンドラに乗っていて取り残されたままとなっていた弟と両親の安否を気遣っていた。

 マリアさんはAFPに対し「どうしようもなく不安でした。弟と両親はあそこ(ゴンドラ内)に取り残されてしまいましたが、スエットシャツしか着ていなかったんです。日が落ちると寒くなったのに」とすすり泣きながら語った。「何が起きたか分かったのは2時間30分もたってからでした。ロープのもつれを解こうとした時ゴンドラは大きく揺れました」

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