【9月9日 AFP】米連邦捜査局(FBI)のジェームズ・コミー(James Comey)長官は8日、ある国家が米国の大統領選プロセスに介入し、投票結果にまで影響を及ぼす可能性を「非常に深刻に」懸念していると語った。

 米国の政府機関や企業、個人は頻繁に海外ハッカーの攻撃を受けており、米大統領選の民主党候補ヒラリー・クリントン(Hillary Clinton)氏の陣営も、民主党全国委員会(DNC)の電子メールをハッキングしたとしてロシア政府を非難している。

 こうしたなか、首都ワシントン(Washington D.C.)で開催された国家セキュリティ・サミット(National Security Summit)でコミー長官は「国家主体が何らかの形でわが国の選挙プロセスを混乱させているという忠告を非常に深刻に受け止めている」と述べたが、ロシアを名指しすることは避けた。

 さらにコミー長官は、FBIはサイバー攻撃の規模とその標的の解明に全力で取り組んでいると説明。そのうえで多くの州で行われている旧式の開票方法はサイバー攻撃には強いと指摘し「この国における開票作業は往々にしてあか抜けないものだが、それが幸いしている」と述べて不安の払拭に努めた。(c)AFP