【9月9日 AFP】国際サッカー連盟(FIFA)は8日、18歳未満の外国人選手との契約において不正があったとして、今後2度の移籍市場で補強禁止処分が科されたスペイン1部リーグのレアル・マドリード(Real Madrid)とアトレティコ・マドリード(Atletico de Madrid)の異議申し立てを棄却した。

 この決定を「著しく不当」と非難したレアルには36万スイスフラン(約3800万円)、アトレティコには90万スイスフラン(約9500万円)の罰金がそれぞれ科されることになる。

 これを受けて昨季の欧州チャンピオンズリーグ(UEFA Champions League 2015-16)で決勝を戦ったレアルとアトレティコは、スポーツ仲裁裁判所(CAS)に提訴すると発表している。

 FIFAは声明で、「上訴委員会は、スペインの両クラブ、アトレティコ・マドリードとレアル・マドリードの異議申し立てを棄却し、未成年者保護に関する不正に対するFIFAの規律委員会が下した処分を認めることを決定した」と発表している。

 両クラブに対する補強禁止は今年1月に発表されたが、異議申し立てにより処分が保留となっていたため、今夏の移籍市場では補強が可能となっていた。

 補強禁止処分は2017年の冬と夏のマーケットに適用され、両クラブは2018年1月まで新たな選手の登録ができないことになる。なお、同様の処分を受けたFCバルセロナ(FC Barcelona)はCASへの上訴が棄却され、2015年の補強が禁止されている。

 欧州王者のレアルは、処分が「できるだけ早く」覆されるよう、CASに働きかけるとしている。

 レアルはウェブサイト上で、「著しく不当で最も基本的な法の原則に反する決定に遺憾の意を示します」と声明を発表している。

「今回の決定が完全に覆されるよう、クラブは正当な手続きを踏んでCASに上訴します。CASが理性的な決定を下してくれると確固たる自信を持っています」

「CASからできるだけ早く結論を得るため、レアル・マドリードは可能な限り迅速な形で申請を行います」

 国際的な規定の下では、18歳以下の選手は特殊な状況を除いて他国に移籍することはできず、移籍する場合はFIFA特別委員会の承認が必要になる。

 今夏セビージャFC(Sevilla FC)からケヴィン・ガメイロ(Kevin Gameiro)、ベンフィカ(Benfica)からニコラス・ガイタン(Nicolas Gaitan)を獲得したアトレティコは、不正が疑われている未成年の選手はFIFAから承認を受けて獲得したと主張している。

 一方、移籍市場で沈黙したレアルは、ユベントス(Juventus)からアルバロ・モラタ(Alvaro Morata)を3000万ユーロ(約35億円)で買い戻したのみだった。(c)AFP