【9月8日 AFP】南米コロンビア沖でスキューバダイビング中に強い潮流に流された男性2人が7日、サメとクラゲがうごめく大海原を48時間漂流しながら生き延びた体験を語った。

 ホルヘ・モラレス(Jorge Morales)さんとダリオ・ロドリゲス(Dario Rodriguez)さんは8月31日、コロンビア領の孤島マルペロ(Malpelo)島の沖合でダイバー仲間3人とともにスキューバダイビングを楽しんでいた。ところが、海流によって太平洋の開放水域に流されてしまい、仲間たちともはぐれてしまった。

 2人は互いの体を寄せ合ったり、相手の周りに放尿したりして体温をできるだけ維持しようとした。胎児のように体を丸めた状態で海を漂っていたという。

 モラレスさんによれば、漂流1日目の夕暮れ時が最も過酷なひとときだった。それでも、サバイバル訓練で学んだことを実践する以外に方法はないと悟り、ひもで互いの体を結びつけて2人が離れ離れにならないようにしたという。

 だが、数匹のサメが2人の周りを泳ぎ始め、さらにクラゲも集まってきて事態は悪化した。「クラゲは僕たちを刺してきた。ひどい痛みで、とても強烈だった。何匹のクラゲがいたのか分からないが、ものすごく厳しい状況だった」と、モラレスさんは当時を振り返った。

 2日目を迎えると、海水面に突き出たモラレスさんとロドリゲスさんの顔を太陽がじりじりと照り付け、それにもかかわらず2人は寒さに震えて意識がもうろうとしてきた。しかし「家族のことを考えて、希望を失わないようにした」という。

 その後、2人はどうにか捜索の飛行機に発見され、派遣された海軍船によって今月2日に無事救助された。一緒に流された仲間3人のうち1人はその前日に救助されていたが、残る2人は現在も見つかっていない。(c)AFP