【9月8日 AFP】米航空宇宙局(NASA)は8日、地球近傍小惑星「ベンヌ(Bennu)」に向けて探査機「オシリス・レックス(OSIRIS-Rex)」を打ち上げる。このミッションでは、太陽系誕生の謎を解明するためのサンプル採取を目的としている。

 7年の歳月と8億ドル(約813億円)が費やされたこのミッションについて科学者らは、ベンヌや生命そのものの起源についてなんらかの手掛かりを得ることに期待を寄せている。

 探査機オシリス・レックスは、米フロリダ(Florida)州ケープカナベラル空軍基地(Cape Canaveral Air Force Station)から8日午後7時5分(日本時間9日午前8時5分)に打ち上げられる予定。

 同ミッションの主任研究員は、「ミッションの主要な目的は、炭素質のサンプル60グラムをベンヌの表面から持ち帰ること」だとし、「生命の起源についての情報やヒントをもたらす可能性のある、太陽系初期からの有機分子がサンプルに含まれていることを期待している」と述べた。

 計画では、オシリス・レックスは、2018年8月にベンヌに到達し、2023年にサンプルとともに地球に帰還する予定だ。

 ベンヌの直径は、492メートル。公転周期は1.2年で、6年ごとに月と同程度の距離まで地球に接近する。ただNASAの推定によると、ベンヌが地球と衝突する可能性は極めて低く、2175~2196年に最大2500分の1の確率で衝突することが考えられるのみだという。(c)AFP/Jean-Louis SANTINI