【9月8日 AFP】中国を代表する航空会社、中国国際航空(Air China)が機内誌の中で、ロンドンを訪れる観光客に対して地元住民の人種や国籍に基づく「人種差別的な」アドバイスをしているとして、英国の国会議員が7日、同社を激しく非難した。

 米テレビ局CNBCが撮影した中国国際航空の機内誌「中国之翼」の画像には、「ロンドンは旅行先としておおむね安全な場所だが、インド人やパキスタン人、黒人が主に暮らす地区では警戒が必要だ」と書かれている。それに続けて、「夜間は1人で外出せず、女性は旅行中は常に誰かと共に行動したほうがよい」と忠告している。

 これに対して、1960年代にインドから英国に移住した地元ロンドン選出のビレンドラ・シャルマ(Virendra Sharma)下院議員(労働党)はインターネット上に声明を発表し、中国政府に抗議したことを明らかにした。

「このような明らかなうそで、人種差別的な見解が許されると考えている人が今日でもいると知って衝撃を受け、がくぜんとしている」

 シャルマ下院議員は中国の駐英大使に対して、中国国際航空が速やかに謝罪を表明し、機内誌を迅速に回収するよう要請したことも明らかにした。

 中国国際航空は中国のナショナルフラッグキャリア。同航空からも在英中国大使館からもコメントは得られていない。(c)AFP