【9月7日 AFP】今年4月に死亡していたことが明らかになった、世界初の顔面移植手術を受けたフランス人女性のイザベル・ディノワール(Isabelle Dinoire)さんの死因について、医師らは7日、まれながんで、移植手術後の拒絶反応を抑制する薬剤とは無関係だったと述べた。

 移植手術が行われたフランス北部アミアン(Amiens)にある大学病院の声明はディノワールさんの死因について、「免疫抑制剤と科学的に関連付けることができない、まれな腫瘍」だったと述べ、ディノワールさんは4月22日に病院で「愛する人々と医療チームに見守られて」亡くなったと付け加えた。

 飼っていた犬に顔面かまれて負傷したディノワールさんは2005年、脳死したドナーから鼻と唇、あごの移植手術を受けた。だが、医師らは6日、ディノワールさんが「長い闘病」の末に今年4月に死去していたことを発表した。

 病院の声明によると、ディノワールさんは強力な免疫抑制剤により、多くの合併症に苦しんでいたという。感染症にかかり、治療は成功したが腫瘍があったり、肝機能が低下し、高血圧だったりしたという。(c)AFP