【9月7日 AFP】フィリピンのロドリゴ・ドゥテルテ(Rodrigo Duterte)大統領は、国内で死者を出す攻撃を繰り返しているイスラム過激派組織「アブサヤフ(Abu Sayyaf)」の戦闘員について、自分の手で体を引き裂いて食べてやると述べ、敵意をむき出しにして報復を誓った。

 アブサヤフは先月、フィリピン兵15人を殺害。さらに先週には、大統領の地元ダバオ(Davao)市で爆破事件を起こし、14人が犠牲になっている。

 ドゥテルテ大統領は5日遅く、東南アジア諸国連合(ASEAN)首脳会議に出席するために訪れたラオスの首都ビエンチャン(Vientiane)で、フィリピン人の聴衆を前にスピーチを行った。6日に公開されたその動画によると、大統領は「やつら(アブサヤフ)に代償を支払わせる。その時が来たら、皆の前でお前らを食ってやるからな」「俺を怒らせたら、俺は本気でお前らを生きたまま食ってやる。生でな」などと発言した。

「俺は本当にお前らの腹をかっさばくからな。酢と塩をよこせ、お前らを食ってやるから。冗談じゃないぞ」と言い放った。

 ドゥテルテ大統領は犯罪に対して容赦のない戦いを進めており、6月30日に就任して以来の殺害数は3000人近くに上っている。一方で自分を批判する人々に対しては、繰り返し侮辱的な暴言を吐いている。

 5日にはバラク・オバマ(Barack Obama)米大統領を「売春婦の息子」などとののしり、米側が翌日に予定されていた首脳会談を取りやめて大きな外交問題に発展した。

 ドゥテルテ氏の側近らは報道陣に対し、大統領の言葉を額面通りに受け取らないよう再三要請している。(c)AFP